日本企業によく見られる「Halal」表示の誤用
海外

(2017.08.11)

マレーシアのクアラルンプールで開かれた、日本の公的機関も後援する訪日インバウンドPRイベントを見に行ってきました。

そこに、ある日本の化粧品メーカーが、出展していました。その企業の製品カタログの表紙には、「Halal」と記載されたマークが表示されていました。カタログの裏面には、「Non pork」「Non alcohol」と記載されていました。実際に商品の成分表を確認してみると、動物由来成分と思われる原材料が含まれていました。日本製のこの食品原材料の殆どは、豚か牛を使って製造されています。

イスラム市場における社会的通念として、「Non pork」「Non alcohol」だけでは、「Halal」とは言えません。「Halal」とされる食品の原材料や添加物に、豚および豚由来成分が含まれていることは許されません。イスラム法で許されている動物由来原材料でも、適切な方法で屠畜していない場合には使用できません。その上で、製造向上、調理器具、運送過程等において、禁止された成分との接触や混入がないよう措置をとることが求められます。この商品の例では、少なくともすべての原材料が「Halal」であることを成分検査表等をもって証明できない限り、「Halal」の表示することは適切ではないでしょう。

このように、日本の食品製造業や飲食店等で「Halal」と「Non Pork」「Non Alcohol」を誤用している例は、非常に多く見られます。例えば、お酒と豚肉料理を出している飲食店で、豚を使っていないというだけで「Halal」の表示をしているお店があります。原材料には豚が含まれていなくても、調理中、食器を経由して豚やアルコールとの接触の可能性があります。世界的な基準から見れば、これはハラールとは言えません。

世界のイスラム市場は、今後も市場規模の拡大が予測されています。東京オリンピックを控え、ムスリム観光客の訪日数は、今後も伸びるでしょう。イスラム市場が日本企業にとって重要な市場になることは、間違いありません。しかし日本がこのような誤用を続けることは、日本企業の信頼性を低下させることに繋がります。

今まで話題にならないようなローカルな出来事でも、情報発信者にとって重要であれば、Facebookなどのソーシャルネットワークを通じて瞬時に世界に拡散される時代です。「旅行先だから」「日本語だからわからないだろう」等の考え方は、通用しない時代なのです。

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